支援職・医療従事者

援助職・医療従事者の燃え尽き症候群は、残念ながら深刻な問題です。


アメリカの調査によると、パンデミックが始まる前ですら、76%の医療従事者が燃え尽き症候群・或いはそれに近い状態であったと報告されています。

パンデミックにより、この数値はさらに深刻なものになっています。2020年に行われた調査によると、93%の医療従事者が疲れ切っていると回答しました。


他者をケアすることは容易いことではありません。

病気等の事情により他者が苦しんでいる際には、他者の痛みに共感することで、あたかも他者の痛みを自分の痛みとして経験し、第二次トラウマを生みかねません。

長時間に渡って他者の痛みにさらされている援助職の方こそ、自分自身のエネルギーを完全に消耗することなく、痛み・苦しみとの付き合い方を学ぶことが欠かせません。


その助けの一つとなるのが、コンパッションです。

コンパッションは、痛みと共にあり、そしてその痛みを取り除きたいと願うこと、痛みを取り除こうと行動することです。

それは、痛みをただ「痛いもの」として経験するのではなく、痛みを暖かく包み込んでくれるものであり、時には痛みを取り除く為、現状を変える為の強さを与えてくれるものです。


では、コンパッションをどのように向ければ良いのでしょうか。

まずは、自分自身に向けることです。自分のコップに水が入っていなければ、他者に水を分けてあげることはできません。

そして、自分自身が倒れないようにすることは、長期的なケアを可能にする責任ある行動でもあります。


MSC6週短期コース、MSC8週間講座では、他者をケアしているさなかにできることを学び、練習し、実際の場面で使えるようにしていきます。


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自分が攻撃された感覚 | 優しい生き方 ~セルフ・コンパッション~ (ameblo.jp)